2005-01-01から1年間の記事一覧

書評:今年も、たくさんの良い本に出会えて、嬉しかったです。

今年もいよいよ年の瀬で、ブログなんとかランキングでは、たしか書評部門に登録していたものであるよ!と思い出したこともありまして、今回は、今年読んだ本などのコトを語ってみようと思います。つまらなかった本を紹介するのもヘンな話なので、良かった本…

音楽:ストレンジャー・ミーツ・エスタブリッシュメント

1997年3月6日、事件は起こった。 朝比奈隆指揮するNHK交響楽団が、ブルックナー交響曲第8番ハ短調を演奏したのだ。そして、その記録は、コンパクト・ディスクという形で継承されて、21世紀に住まう僕らの耳に届けられる。 ついに、あの空前の大演奏が甦った−−…

 ライブレポ:SION「20th ANIVERSARY」(05.10.14)

先日10月14日(金)にSION20周年記念ライブに馳せ参じました。第一夜は、アコースティックライブです。会場は、新宿ロフト@歌舞伎町ど真ん中。久しぶりの歌舞伎町だったのだけど、条例違反だかなんだかで禁止になったらしい客引きさん、まだちらほらいまし…

書評:飯嶋和一「汝 ふたたび故郷へ帰れず」第三回:ジャブ

焼き魚を肴に晩酌する前に、昨日の続きを書かせてもらいます。−−− さて本題に入ろう。 まずは、次の引用を読んで欲しい。 ヤツが打ち疲れ、右のガードが甘くなったところへ、おれは左のショート・ストレートを送った。確かに顔面をとらえたが、少しも効かな…

書評:飯嶋和一「汝 ふたたび故郷へ帰れず」:第二回、塗絵

前回の続きだが、本題に入る前に小説について考察してみる。 いわずもがなのことではあるが、小説の魅力は、語り尽くせず、とても深い。 カテゴライズが無力であることは、重々に承知しているが、あえて「色分け」をしてみる(「分類」するという作業は、作…

書評:飯嶋和一「汝 ふたたび故郷へ帰れず」:第一回、導入編

言葉で傷つき、傷を負うのは、 なにも、世間知らずの我々だけではない。 言葉の威力は、世界共通だ、という話をさせてもらいます。 飯嶋和一「汝 ふたたび故郷へ帰れず」。なにはさておき、文体の小説である。 グイグイと引きこまれてしまうのである。 あら…

今日からは歩く花〜♪:アノマリー現象について、その三。

話は1990年代に入ります。先に述べましたように、THE BLUE HEARTSは、1990年7月25日に、シングル「情熱の薔薇」を発売します。この曲は、学園ドラマの主題歌にもなり、お茶の間を席捲し、オリコンチャート1位を記録します。重厚なサウンドをバックに、ロマン…

どこまで行くの〜♪:アノマリー現象について、その二。

THE BLUE HEARTSの軌跡とバブル経済膨張・崩壊には、アノマリー(=奇妙な一致)があるという話の続きです。 まず、THE BLUE HEARTSについておさらいをしましょう。 彼らは、1985年2月に結成され、4月3日に初ライブを行い、12月24日に初ワンマンライブを行う…

栄光に向かって〜♪:アノマリー現象について、その一。

先日、大和総研が「サザエさんの視聴率が株価に連動している」という、おもしろいレポートをまとめました(http://www.dir.co.jp/research/report/equity-mkt/quants/05021402quants.pdf)。 このように、理論的に説明できないのだけれども、なんだか結果オ…

荻原浩「明日の記憶」〜削り落とされる記憶に宣戦布告!!

荻原浩「明日の記憶」を読んで、記憶について考えさせられた。 あらすじは、物忘れが気になり始めた普通の会社員が、若年性アルツハイマーと診断され、病状の進行とともに東西南北する物語である(噛み過ぎて、味気の失せたガムを噛むような拙い要約で非常に…