まあ、聴いておくれ。

  引用する。飯嶋和一「汝 ふたたび故郷に帰れず」

しかし、誰もが多かれ少なかれ思いどおりにはならないものを抱えている。たいてい人は思うようにならない壁に当たって、自分というものを確かめることになる。現実と呼ぶようなものと向き合わなくてはならなくなる。そしてそれに向かって戦い始めなくてはならない。そこから始めなくてはどうにもならんだろう?ところがお前はどうして妥協できない。問題は、お前が現実との距離に疲れてしまっていることだ。


  プライドが高いというのは大切なことだ。誇りを失ったら、人間は奴隷でしかなくなる。だがな、夢にひきづられて、現実の自分を侮辱してなんになる。

(中略)
もう少しありのままの自分を大切にしろということだ。
(中略)
毎日毎日の仕事や俗事の数々で疲れきった人々が、忘れていた勇気や誇りを思い出してくれるような、そのために身銭を切ってファイトを見に来てくれるような、そういう優れた本物のボクサーになるのが、それだけの素質を授かってきたお前の使命だと思う。ベルトだとか金だとか、そんなものよりずっと大切なものがある。

  くだらねえ、本の世界に混じった私だ。笑えよ。けっ!

プライドが高いというのは大切なことだ。誇りを失ったら、人間は奴隷でしかなくなる。だがな、夢にひきづられて、現実の自分を侮辱してなんになる。