俺の堕落2

  自堕落な俺は、会社にもぐりこんだ。自堕落の仮面を見透かすような偉い人がいなかったのが、幸いしたのだろうか。堕落の姿を覆い隠そうと一所懸命働いたことは事実である。働きすぎであったからか、俺の自堕落が表にひょっこり飛び出してきたのか知らんが、前回のW杯(日韓開催)のころ、日本チームの敗退と期を一にして、病気になった。

  最初の一週間は、悶え苦しんだものであるが、体調が好転したからか、はたまた自堕落が深みに消えたからか、いずれかしらんが、その後は徐々に復調して、大事に至らなかった。しかし、この経験(堕落?)が、俺の足かせとなり続けた。時折、発症?する症状も含めて。


  閑話休題いしいひさいちの昔の漫画に「踏ん切り」と「糞切り」を掛けたオチの4コマ漫画があった。糞の切れの良し悪しは語らぬが、潔き踏ん切りの力は、俺の中から消失した。それを俺の足かせのせいにするのは、これまた逃げ口上に過ぎないだろう。だが、正直、俺の心の中では、我が身一つと対峙することが精一杯だと感じていたのだ。それが、直情事実の精一杯であったかはわからない。

  闘う前にリングから逃げたボクサーの話が、これまた漫画「迷走王ボーダー」に出てくる。彼にもまた「恐怖」という足かせがあった。足かせを外すのは、他の誰でもなく、自分である。これは理想論でもなく、真理だ(と思う)。

  元気を盛り返して、俺の「足かせ」を外そうと思う、青い空。

(本稿以上)