福田和也「ろくでなしの歌」(メディア・ファクトリー)

  読了。天才とナントカは紙一重という生き方が、これでもか!と提出される。中でも、ドストエフスキー深沢七郎の項が秀逸。とりわけ後者。引用してみよう。

ともすればアナーキーを美化し、美学化しがちな近代文学のお目出度さを、(中略)反知性を標榜してジャーナリズムを席捲し、

  持たざる者の力、あるいは開き直り。・・・と書くと、それこそ”アナーキーを美化”することになり、ねじれに陥穽してしまう。覚悟を決めていない私には、書くことが不可能であり、書くことが自らの馬鹿さの表出になりそうなので、これ以上、書かない。

  だから、「本は人生を作る」というややベタな序文を引用する。

書物、この貧しいもの。
だが、書物にしか、小説にしかないことがある。本にしかない豊かさが、自由があるのだ。(中略)花のイメージはあなたに委ねられている。

  難解な言葉を連ねるよりも、私は直球ど真ん中が好きだ。言葉遊びに堕することなく、分りやすく小説の魅力が述べられている。安っぽい?安くていいじゃん。それを厭わない著者(福田)に敬意(というと大袈裟だけど・・・)を表したい。


  さて、次はなにを読もうかな(´・ω・`)???

(本稿以上)
 
【追記】
本書のカバーの色使い。↓に似ているなあ(´・ω・`)・・と思った。

STANCE PUNKS

STANCE PUNKS

ちなみに、彼らには「ロクデナシの空に」という曲がある。