残暑とカモメ

  残暑、残暑と書いて、外に出てみると、どうも本当に残暑の様子でした。もちろん暑いのは暑いのですが、暑さがどうも残暑の暑さ。残暑の暑さというのは、夏も終わりかなあ(´・ω・`)、と寂しげな空気が濃厚なのです。今年の夏は短いかもしれないから、ちょっと早めに山登りにでかけようと思いました。


  さて、空を見上げるとニョキニョキと入道雲が笑っていました。青い空と白い雲の対比に、なんというか目に突き刺さるような鋭角を感じたものです。そこで、思い出したのが野狐禅の「カモメ」という曲です。

カモメ / 野狐禅

  歌詞を引用してみましょう。

青を塗って
白を塗って
(略)
海みたいになってしまって
ひらきなおって カモメを描いた

  空を描こうとしていたら、なんか海みたいになってしまったので、カモメを描いてしまってね、というフレーズです。歌詞には、ダブルミーニングの妙もありますが、このように逆転させるメビウスの輪みたいな手法も面白いですね。この曲では、さらに次のように歌われます。

君との思い出を書いて
君への感謝の気持ちを書いて
一息ついてから
最後に僕の本当の気持ちを書いた
遺書を書いていたつもりが
ラブレターみたいになってしまって
丁寧に折りたたんで 君に渡した

  ドカーン。最初聴いた時には、脳天貫かれるほど打ちのめされました。ひっくり返るほどに、ひっくり返る歌詞。メロディでいうならば、The Beatlesの1stアルバムに収録されている「There's a Place」の「こっちに転調するのかよ!」という驚きの曲相が閃いたものです。なにはともあれ、音楽は、まだまだ捨てたものではないと思いました。

※文中引用の曲は、作詞・作曲/竹原ピストル

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(本稿以上)