量的緩和解除と2兆円  

  先日触れた日銀による量的緩和の解除が、先日9日に決定されたようです。私には難しい話なので、日本経済新聞平成18年3月10日付記事、『Q&A「量的緩和」と「ゼロ金利」どう違う』(初心者向けの解説コラムですね)から引用してみましょう。

量的金融緩和政策を解除した日銀は「ゼロ金利政策」に移行した。金融政策の誘導目標が資金量から金利に戻ったものの、短期金利をゼロ%に維持することには変わりはない。

  うーん、なんだか分ったような分らないような・・・。要するに、「量的緩和解除は頑張って行ったよ!でも今までのゼロ金利も守るからね!」ということですかね?さらに同記事は続けます

Q:ゼロ金利政策になって何が変わる?
A:日銀は短期金利を「おおむねゼロ%で推移するよう促す」(中略)ただ、いずれは「いつでも利上げができる状態」になり・・・

  ということは、「日本銀行さんが、使うか分らないけど、とりあえず伝家の宝刀を手に入れたんだよ!」ということでしょうかね。こんなところが、現在の理解であるのか、既に織り込み済みであったからか、株式市場は昨日も堅調に推移していました。

 
  さて、ちょっと気になる話題との関連を考えてみました。引用が多くて恐縮ですが、日経産業新聞平成18年3月10日付を見ると、

〜〜野放図な”宴”に幕〜〜
「貸したくてしょうがない銀行が多いからこんなディール(企業買収案件)が成り立つんだ」。

  これは、話題のソフトバンクによるボーダフォン日本法人買収に言及した有力M&Aバンカーの言葉です。1兆円とも2兆円とも言われる買収金額。どうやら金額の大部分をLBOで調達する模様ですが、その金額は世界的に見ても突出しているようです。
  この金融政策の転換期に、「突出した資金調達」を行って大丈夫なのかな?バッドなタイミングなんじゃないのかな?って心配してしまうのは素人だからでしょうか?ソフトバンク孫さんは、2000年ネットバブル崩壊の苦渋を体験した玄人ですから、今回の金融政策の転換も織り込み済みなのでしょうね。冒頭の引用にあるように、金利はしばらく据え置きの方向でもあるし、大量の資金調達を行う最後のチャンスだ、ということなのかもしれません。

(本稿以上)