消された傷跡、あるいは刻まれた悔恨、あるいは残された廃屋

※2006年5月21に書いたのを、7月21日に5月22に移した。
※本エントリが、私にとって「ことのは騒動」山頂なので、デスマス調子から離れることを承知いただきたい。

  平成18年4月7日(金)(あるいは6日深夜*1)に、一つのPodcastが公開された。場所は、湯川鶴章のIT潮流。現在では、「泉あいさんのエントリーを削除した件について」というエントリ*2が、残っているだけだ。私は、当該Podcastが公開されているのは知っていたが、リアルタイムで聴くことも、ましてやDLすることもなかった。何故なら、先に述べたように「ことのは騒動」への興味は消失し、現実世界で恋を温めていたから。従って、Podcastの公開は、私にとって事件では、ない。ミステリ小説で表するならば、事件発生前の奇奇怪怪なる魅力的な導入部、といえばお分かりになるだろうか。・・・自家撞着するのはやめよう。

  事件は6日深夜でもなく7日未明でもなく、7日の夕刻に発生した。後に、数々の謎と憶測を呼んだ問題のPodcastが、突然、消えたのだ。いや、消えたのではなく、消されたのだ。湯川氏の後述するサイトのエントリで、彼は以下のように説明することからも「消えた」のではなく「消した」のは事実だ。

さきのコメントにもあるように、その後すぐにわたし自身がエントリーを削除しました。

  Podcast消失事件。しかし、これもまだ、私にとっての事件ではなかった。なにしろ自身が、聴いていないPodcastがいくら消えてしまおうが、自らの事件にはならない。ちなみに、伝え聞いた噂によると、当該Podcastは、winnyというITが生み出した魔界で、今もって漂流を続けているそうだ。興味は無い。



  私にとっての事件は、4月12日(水)に発生した。7日(金)夕刻のPodcast消失後、人々は湯川氏に対して、消してしまった経緯を説明すべきだとの声があがっていた。7日から12日にかけて、湯川氏の「ネットは新聞を殺すのかblog」でも声が上がっていたと思うが、4月12日のエントリ(後述)前の2月23日「日本版オーマイニュースの狙いは打倒権威主義」のコメント欄に、「声」は残っていない。愉快なヤリトリが牧歌的に展開されているだけだ。もしかすると4月7日以後12日前にかけて、もう一つエントリがあったのかもしれない。記憶は不鮮明だが、声が上がっていたのは事実だ。Big Bang氏のエントリ「湯川氏と時事通信社は一刻も早い説明を。------泉インタビューの削除に関して」が、先の「打倒権威主義」エントリに2006-04-08 11:57 というタイムスタンプでTBされている。おっと、今確認したら「打倒権威主義」の前、2月21日「ポッドキャスティング本格的に再開します」で、7日以後のコメントが残っていた(言い訳になるが、「ネットは新聞を殺すのかblog」は、未分別ゴミ箱のようで、分り難いことこの上ない)。

  繰り返しになるが、私にとっての事件は、4月12日(水)に発生した。まず、二つのエントリを貼り付ける。

1.4月12日(水):泉さんのエントリーを削除した件について

2.5月 5日(木):中間報告

  結論を述べよう。1.は「燃えるゴミ箱」、2.は「燃えないゴミ箱」、以上。

  
  1.については、当初、別のエントリが掲載されていた。正確ではないが、「議論する場を設けます。トリルさんもうずうずしているみたいだし」という内容だったと記憶している。内容は不鮮明であり、ニュアンスを伝え切れていないかもしれない。しかし、現在と異なる言説が表記されていたのは確かである。それは、1.に残っている以下のコメントからも明らかである。

Commented by a at 2006-04-12 06:20 x
エントリーには、
経緯を載せるべきではないですか?
これじゃあ、なんのことか読者はわかりませんよ。
まあ、一般読者に醜態?を晒したくない気持ちはわかりますが・・・。

  これは、筆跡と”a”というコメンテッド・ネームから考えて、私のコメントである。7日からの沈黙を破った第一声が「トリルさんもうずうずしているみたいだし」(繰り返すが正確な引用ではない)というネット世界の有識者湯川氏の呆れ果てた物言いに、朝の6:20という爽やかな時間に書き殴った記憶がある。

  
  書き換えられたエントリ。いつ書き換えられたのか知らん。最初の「トリルさんうずうず」が書かれた時刻であろうか 2006-04-12 01:22 というタイムスタンプしか残っていない。一つのエントリに対して、何通ものエントリを書き上げて、TBを撃つような変質者な俺もログを採録して置くのを忘れた。うっかりと忘れていた件については、どうでもいい。しかし、短気な俺が、コメントしたことは事実であり、したがって4月12日の6:20に俺にとっての事件が発生したということになる。誤解なきよう申し上げるが、書き換えられたエントリについて、あるいは書き換えたことについて怒っているわけではない。ちょっとお茶目なエントリだったから、あるいは、ちょっと無責任だった、正直すまなかった、という湯川氏の真摯な対応であったと、少し評価しているくらいだ。

  事件と怒りについて、再確認しておく。1.Podcast消失事件(4月7日)は私にとって事件ではない。2.書き換えられたエントリ事件(4月12日)は、私にとって事件ではあるが、怒りの矛先ではない。

私はこれまで、これほど多くの暖かい激励のコメントが新聞というメディアに向けられたのを見たことがない。やはり読者は新聞との対話を望んでいるのだ。ネットを使ったこれからのジャーナリズムは、「対話」がベースになる。こうした思いがますます強まった。

湯川鶴章「ブログ・ジャーナリズム-300万人のメディア」より

  湯川氏は、新聞ではない。湯川氏は、「これからのジャーナリズムは対話がベースになる」と述べられている。所謂、「参加型ジャーナリズム」という解釈で大筋間違いないだろう。また、私の理解では、湯川氏という人物は「参加型ジャーナリズム」の旗手であり、宣教師である。そして、私が「燃えるゴミ箱」と称した4月12日のエントリのコメント欄でも真摯な対応をされている。standpoint1989氏(懐かしい・・・)のコメント欄における質問にも逐一答えられて、自らの「対話」を実践されている。しかし、

Commented by 湯川 at 2006-04-12 17:20

  その後、彼は消えてしまった。そして、「ryoco at 2006-04-19 15:18」というコメントが書き込まれた。内容は、湯川氏にとって、非常に厳しいものだった。他人のコメントを引用するのが適当か分らないので、4月12日のエントリで検索して、オリジナルを読んで欲しい。ryoco氏が、事実を述べているのかは、本人でない私には分らない。それは、言い訳だ。私は、ryoco氏が掲げたメールアドレスにメールを送るという積極的行動も起こさなかったから、ryoco氏の言の真偽が私には不明である、という表現が正しい。

  湯川氏消失事件。あまりにも厳しい事実を突きつけられて、関係各位に確認作業を行っていたのかもしれない。もしかすると、仕事が多忙を極めて、軽はずみに対応してしまうことを恐れたのかもしれない。真摯な人間には、ありがちなことだと思う。

5月5日、4時59分、彼は現れた。第一声は、

まだ中間かよ、と怒られそうだが、


  あんたの「中間」とやらに興味を抱く人間が、5月5日時点で存在しているとでも考えたのだろうか?あるいは、以前、述べたが、これはメソッドなのだろうか?あるいは、誤字だらけのエントリをアップしながら、「再校のゲラをチェック中」(書物のことだろう)というアンビバレンツな姿を演出したアリバイ工作なのか?いずれにしても、湯川氏出現事件を前にして、真面目な言説を投じたる勇気のある人間が消えてしまったのは事実だ。したがって、議論云々以前の話であり、所謂「炎上」の余地が無い。それが、「燃えないゴミ箱」と称した理由である。

出版されれば、このブログも閉めようかなあ。1つのくぎりとしてね。でもまたすぐに別のところでブログを始めるかもしれないけど。

の言葉を最後に、彼の姿は杳として知れない。

(本稿以上、参加型ジャーナリズムも以上・・・か?)


参考リンク:ネットにやられてたまるか!魚拓集。

ゴミ箱1
http://megalodon.jp/?url=http://kusanone.exblog.jp/3470741/&date=20060521200556

ゴミ箱2
http://megalodon.jp/?url=http://kusanone.exblog.jp/3567620/&date=20060521200726

2月23日:「日本版オーマイニュースの狙いは打倒権威主義
http://megalodon.jp/?url=http://kusanone.exblog.jp/3241499/&date=20060521214956

2月21日:「ポッドキャスティング本格的に再開します」
http://megalodon.jp/?url=http://kusanone.exblog.jp/3232368/&date=20060521215137


<追記予告>5月22日7:16くらい
コメント欄でのご指摘、それを契機に幾つか思い出したことがあるので、後で追記します。

# 通り菅井 『これは?
http://megalodon.jp/?url=http://kusanone.exblog.jp/3470741/&date=20060411164000
で、トリルもうずうずしてうんぬんの発言はここ
http://ultrabigban.cocolog-nifty.com/ultra/2006/04/2_1245.html』 (2006/05/22 00:07)

# keroyaning2 『>通り菅井さん
どうもありがとうです。
そっか、最初はBigBangさんのところでやってたんだった。
本文は、後で、修正を加えます。疲れた。』 (2006/05/22 02:58)

*1:7日0:44には少なくとも存在したと捉えるのが適当だろう。参考文献はココ

*2:permalinkを取得出来なかったので、IT潮流から積み上げられたPodcastの山を下って欲しい。