フランソワ・ボン「ローリング・ストーンズ〜ある伝記」〜メタ書評

ローリング・ストーンズ―ある伝記 書評が、世界に溢れています。インターネット世界で、数限りない書評サイトが怖ろしいほどに増殖していることは周知のことかと思います。本が好きな私もよく参考にさせていただいております。あと、欠かさずにチェックするのは、一般紙各紙が日曜日に見開き2ページに渡って特集する書評ですね。けだるい月曜日の朝、会社でモクモクと眺めることが習慣になっています。

  さて、東京新聞平成18年2月19日付の書評欄で、「書評を超越した書評でアルな、おいっ!!」と、感激した書評に遭遇したので、それを紹介してみたいと思います。『挑発する1㎏の情報と情熱』と題して、フランソワ・ボン「ローリング・ストーンズ〜ある伝記」を評者である舌津智之氏が評した書評です。少し引用してみると、

本書は、伝記文学版の『白鯨』である。
(中略)
「伝記は、小説から神話的な力と技術を吸収したのであり、小説と同じくらい野蛮な試みだ」と説く著者は、「奴隷の歌と南部の暴力とが交わるところ」に淵源するストーンズの悲劇性を、メルヴィルと並ぶ米国の文豪フォークナーの世界観とさえ比較する。

 なんだか凄い本らしいです。まず表題にある1㎏というのは、本書の重量。その”重さ”の中に、「奴隷の歌と南部の暴力・・・に淵源するストーンズの悲劇性」が、これでもか!って書かれているようです。


 さて、ザ・ローリング・ストーンズは、ザ・ビートルズと比較考察されるバンドですね。私は、ザ・ビートルズが基本的にドゥ・ワップの流れを汲むコーラスバンドであり、それに対して、ザ・ローリング・ストーンズは、黒人ブルースの流れを汲むヴォーカルバンドであると思っています(注1)。

 ブルースの影響というのは、ロック世界では根深く染みこんだ根源的精神性である、なんてことが言われたりもしています。しかし実際に、黒人ブルースに肩を比すほどにブルース、ブルース!しているバンドは、ザ・ローリング・ストーンズ(初期限定)だと思っています。はぁ?エリック・クラプトンのブルース魂を忘れてねえか?という人も居るかと思いますが、あれはブルースの皮衣を被った・・・あまり私見を続けると、荒れてしまう(ほど来訪者はいませんが)のでやめておきましょう(注2)


 何はともあれ、今日は花の日曜日!朝刊書評欄をチェックしてみましょう。気持ちが春めく、そんな素敵な本に出遭えるかもしれませんYO!!

(注1)いずれも初期鳴動期を想定した私の印象です。
(注2)クリーム時代のクラプトンは、大好きです。横文字で書くなら、マイ・フェイヴァレット・バンドです!

(本稿以上)

追記:初期ストーンズについて、興味深いコラムがありましたのでリンクしておきますね。

(注意!!)
下のリンクから本書を購入されると、Amazonさんから私に3%(だったかな?)のお金をいただけてしまい、私がお金持ちになってしまうのでご注意ください。。。本書は、8,400円!!です(ウヘー)。

ローリング・ストーンズ―ある伝記

ローリング・ストーンズ―ある伝記