吉野貴晶「サザエさんと株価の関係」〜たまにはトンデモいいんじゃない??

サザエさんと株価の関係―行動ファイナンス入門 (新潮新書)  このところ生臭い”堀江メール”モノについて、続けて書いてきたので、少し爽やかな話を一つ。ちょうど一年くらい前にエントリで触れた大和総研のレポート。好評だったのか(あ、私のエントリではなくて、大和総研のレポートが、ですね)、一冊の本になりました。
  吉野貴晶「サザエさんと株価の関係」(新潮新書)です。副題が、「行動ファイナンス入門」とあるとおり、経済学の新潮流である行動ファイナンス行動経済学とも称される)の関連本でもあります。行動ファイナンスについては、他に入門書にピッタリの本があり、本書は、その副読本として、あるいは読み物としてふさわしい気がします。


  まず、目次を見てみると、

第1話  「サザエさんの」視聴率で景気がわかる
第3話  景気を引っ張るイヌ
第12話  猛暑、体臭、クールビズ……夏の三題噺


  なんだか興味がそそられませんか?他にも、音楽が流行ると株式市場はどうなるのか?観覧車の建設と地域経済活性化の関係は?などについて、若干、風が吹けば桶屋が儲かるよ!式のコジツケな論法、トンデモ話な風味もあります。逆に、「そんなこと言われなくても分っているよ!!」と怒髪天を突くような話もあるけれども、そこは軽い読み物だということで大目に見ましょう。

  さて、本書の雰囲気を味わってもらうために、一部を引用します。

満月と新月の時には、人は気分が昂揚し、感情的になったり、暴力的になったりする。一方、上弦、下弦の時は人の緊張感が弱まり、事故が起きたりすると言われる。この関係は馬鹿にしたものでもないらしく、(中略)1992年兵庫県警が「満月や新月の日に比べて半月の日はうっかり事故が多い」というレポートを出している。


  本書のキモである日常事象と株価の関係についての部分は、あえて避けました。全体的に、こんな感じの論運びです。で、この先に展開する月齢と株価の関係は?というと、読んでのお楽しみです。「おお、ビューティフル!!」と感じ入るか、「バカヤロウ!」と窓から放り投げるか、ちょっと分かれるかもしれませんが^^。

  あまり真面目にならず、休日の昼下がりに陽の当たる窓辺で、横になって、力を抜いて流し楽しむ本かな?と思います。くれぐれも本書だけを参考に、一攫千金、一夜明けたら億万長者になったるぜ!な株式投資を行わないでくださいね。  
  

(本稿以上)


(注意!!)

下のリンクから本書を購入されると、Amazonさんから私に3%(だったかな?)のお金をいただけてしまい、私がお金持ちになってしまうのでご注意ください。。。


サザエさんと株価の関係―行動ファイナンス入門 (新潮新書)

サザエさんと株価の関係―行動ファイナンス入門 (新潮新書)