氷の世界〜トリノに春は来るのかね??

  寒いトリノ

  「アア、日本選手、惜しかった!残念!!」という悲しみの絶叫が日常茶飯事になっているトリノ・オリンピックです。そして、毎朝恒例のNHKニュース現地中継の「日本のみなさんッ!ブオンジョルノ〜〜!!」の明るい呼びかけが、日本の朝を寒く凍りつかせています。感覚が麻痺してきて、「昨日も日の丸選手団は、メダルが取れなかったのだな、うむ」なんて、一人うなずき、倒錯的な喜びに浸る自分の姿が、しみじみと哀しいわけで・・・。


  もちろん感動的な場面もありました(まだ終わってないですね・・・)。スキージャンプ原田選手の”200グラム痩せちゃいました事件”もある種、感動的なカタルシスを与えてくれたものです。95メートル飛んでいるうちに、ダイエットしちゃったのかよ、おいっ!ってなものですが・・・。

  さて、ここからが真面目な話です。オリンピックも終わりが近づいてきたと思いますが、今までで一番感動して、胸が震えた場面。それは、クロスカントリーパシュートという種目です。「金メダルは、ガチガチの鉄板でアル」と前評判のノルウェーエスティル選手。ところが、スタート直後の混戦で、転倒してしまいます。スタート位置が前の方だったので、それは非道い有様でした。後続の選手が、もつれて倒れこみ覆い被さってしまうは、意図的にスキー板で蹴り上げている(ような)選手も居るわ、ほとんど校舎裏のイジメ状態。
  ところがですね、彼は、諦めなかったんですよ。他の選手全員が、先に走り去ってしまった中、一人雪の上に立ち、脱げてしまったスキー板を中腰姿勢で履き直す。その姿は、無様で格好悪く、哀れな姿でした。
  そこから、決然たる顔つきで大集団を追いかけて、なんと75人を抜き去り、あとわずかで金メダル!というところの見事な銀メダル!!!いやあ、最後は本当にイイ顔していました。こういう場面を目撃して記憶できること。それが、オリンピック、そしてスポーツの醍醐味ですね。

(本稿以上)


p.s.
本当は、ここまでが前振りだったのですが、長くなってしまいました・・・